人生最悪の日

6/19
前へ
/350ページ
次へ
一瞬でそれだけのスピードを叩き出すこの車も異常なら、この車を―…。 「ルールル🎵ルルル🎵ルールル🎵ルルル🎵ラーラーラーラーラーララ🎵」 鼻歌交じりで操作する美音も異常であった。しかも何故徹子の部屋なのか…。 「わぁぁぁぁぁぁっ!」 瞬の方はただ叫ぶ事しか出来ない。 (止まって!ぶつかる!死ぬ!殺されるぅ!) 脳が恐怖によって、オーバーヒートを起こしている。涙が出るし、少しチビってもいる。 「ネエ!ネエ!ネエ!」 力を振り絞り、瞬は美音に呼び掛ける。 「?な~に、瞬坊」 「も…もう少し…もう……」 余りの事態に、言葉をうまく紡げない。 そんな瞬の様子を見て、美音はわかったと頷く。 「徹子の部屋じゃあ盛り上がらないわよね?じゃあ…」 見事に勘違いをしていた。 「そんな…こ……もぉぉぉぉうっ!」 瞬は、精神的に100のダメージを受けた。 「ババンババンバンバン🎵ハァ~🎵ビバノンノン🎵」 美音はドリフのテーマを口ずさんでいた。 どうでもいい事だが、ドリフのテーマでも、盛り上がるかは微妙だと、瞬は思った。
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1751人が本棚に入れています
本棚に追加