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何やら母親の名前が聞こえた様な気がしたが、瞬はそれ所ではなかった。
(死ぬ!絶対死ぬ!美音ネエに殺される!)
自分が何か、怒らせる様な事をしたのだろうか?
……ちょっとあった。
だが、あれは不可抗力なのだ。一週間前、強風が吹いた際に、美音のスカートの中…パンティーを見てしまった。レースをあしらった黒のランジェリー。
別に見るつもりはなかった。…いや、見たくない訳ではないが。
だけど、あの時謝ったじゃないか!
「別に気にして無いわよ?」
って、言っていたのは嘘なの美音ネエ!?
「まだ根に持ってるの?謝ったじゃないか!」
「何の事?」
『?』
瞬の叫びに、美音と無線の女性は頭を捻る。
「黒のランジェリー見た事謝ったじゃないか!」
「!?」
美音の顔が一瞬で真っ赤に染まる。
『はは~ん…黒ね』
『美音さんって、そんな下着履いていたんですかー』
『気合い充分って事?』
「違ッ!」
「あれ見て興奮したし、ドキドキしたけど謝ったじゃないか!」
無線機の向こうは、爆笑の渦に包まれた。
『アハハハハッ!興奮したって?良かったじゃない美音』
『面白いです~🎵』
『少年のハートと視線をガッチリキャッチって事ね?やるじゃない』
「あわ…あわわ…あわわわわっ!」
動揺した美音は、操作を少し誤る。
助手席側にガードレールが接近して来る。
「あやまっ…ギャアァァァァッ!ぶつかる!」
その叫びを最後に、瞬の意識は途切れた。
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