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その真っ暗な部屋には少女が一人、小さなナイトランプの明かりだけを付け丸いテーブルの前の椅子に座っていた。
カチャンッ
少女は簡素な黒いワンピースを着て、テーブルの上に置かれたティーポットとから液体を白いコップに少しづつ注いでいた。
少女がいる部屋は、本来沢山の光りを取り込む筈の大きな窓が全てカーテンで締め切られ、明かりは真っ暗な中小さく薄暗いナイトランプの明かりのみを付けて白いコップの中の液体を美味そうに飲んでいた。
ギィィィィ・・・
ドアが音を立てながら開くと一人の男が中に入り、後ろ手にドアを閉めた。
少女はそれに気付いてたか気付かずか、全く反応しない。
「お前がレミル=ヒュスカだな」
部屋に入って来た男は右手を腰に添え尋ねた。
「あら」
その問いに少女は答えず、
「またお父様が人を遣したのかしら」
と言いながらクスクスと花の様にかわいらしく笑った。
「もう一度だけ聞く・・・お前がレミル=ヒュスカだな」
男はもう一度聞き返した。
「まあせっかちね、そうよ私がレミル=ヒュスカよ―」
レミルは少しだけ間を開け
「だったらどうするの?」
と聞いた。
「俺の名前はグレン=グラッドレイ、お前の父親から頼まれた―
娘を止めてくれとな―」
ダッダッダンッ
その言葉と供ににグレンの右手の神速で引き抜かれた銃が火を噴いた。
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