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ある日、新しいおとうさんがきた。
いや、おとうさんというにはわかすぎる。
だからおれは、その人はおれの"おにいさん"だと思っている。
「俺、お前の担当になったんだー」
おにいさんはそういって、ガラスにそっと手をおいた。
ながい指がとてもきれい。
「御堂心って云うんだ。心でいーぞ」
おにいさんのなまえ、知ってから、おれはおにいさんのことをしんって呼んでる。
でもおれ、声出ないから、こころのなかだけしかその名前は呼べないの。
じぶんのいしでおれのからだはまだまだ動かないらしい。
もどかしいなって前から思ってたけど、それはしんがきてからさらに感じるようになった。
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