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私の名前は美都。14歳。
名前のはおじいちゃんが心優しく、都の様に明るく美しい子になるようにとつけてくれたらしい。
別に名前なんていらない。
いや、むしろ命なんていらない。
「美都ちゃん、退院したら学校行こうね」
そう先生は毎日私の部屋に来て言う。
学校なんか行きたくない。
2年になってから転校したけど……なじめなくて嫌になる。
そう思いながら私は先生の前で点滴の管を自分で抜いた。
血が出てきた。私は血を見たり痛みを感じる事が好きだ。
なぜなら“生きている”と実感できるから。
「美都ちゃん!!点滴の管を抜く事はしたらいけないって先生何回言った!?」
私の手を引っ張り、叱って来る先生を私はにらんでこう言った。
「……うるさいなぁ。病気も治せないくせにいちいちうるさいよ。」
先生は私の言葉に真剣な顔をして話しはじめた。
「それは美都ちゃんが治すつもりがないからだよ。先生達はあくまでも病気を治す手伝いをする事しかできないんだ。なのに美都ちゃんは治そうと言う気がない。薬は飲まないし点滴は勝手に抜くし……。世の中にはね生きたくても生きれない子がたくさんいるんだよ。もちろん先生もたくさん見てきたし…美都ちゃんの病気は必ず治る病気だから、だから頑張って治さなきゃ。」
またその話しですか。はいはい。わかってます。
何回も言われなくてもわかってます。
「先生。私は死ぬのなんか全く怖くないから。」
そう言って私は部屋を飛び出した。
「美都ちゃん!!」
先生の声が聞こえたけど私は無視して屋上に向かった。
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