恋する青少年

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僕はバイトのない日は街をぶらつく事が好きだった。 特に、本屋に立ち寄ると何時間でも時間がつぶせた。 それほど、読書が好きだった。 いつもの本屋で雑誌をぶっしょくしていると、本棚の方にばかり目がいっていたせいか、女の子とぶつかってしまった。 ぼくはあわてて、 「すいません。」 と頭をさげた。 すると、同時にぶつかった女の子も 「すいません。」 と頭を下げてきた。 《ゴン!》 大きな音が僕の後頭部で鳴り響いた。 天体観測ができるんじゃないかと思うほど、目の前を星が飛んだ。 「いたっっっ」 「きゃっっっ」 二人で同時に声をあげていた。 謝るつもりがお互いが近過ぎて、頭突きをするような格好になってしまったのだ。 痛む後頭部を手で押さえながら、僕は彼女を見た。 『!?』
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