粉雪舞い散る夜に

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「いらっしゃいませ。」 僕はいつもの様に、夕方からコンビニのバイトに出ていた。 週3のシフトだったがけっこうな収入になるので、学校では遅刻魔な僕も遅刻することもなくバイトに精をだしていた。 学校から近いこの店にはクラスメートや後輩たちも頻繁に来るのでいつも気が抜けなかった。 「よぅ!おつかれ~。」 自動ドアが開いて、友達の悟が入ってきた。 悟とはけっこうウマがあうみたいで、がっこうでもよくつるんでいる友達だった。 「おつかれ~。 練習試合はどうだった? 勝ったか?」 コンビニには他に客も居なかったので、僕は悟に話しかけた。 「お前がバイトで休まなきゃな、勝てた試合だったんだけどな……」 寒そうな顔で入ってきた悟はオデンのコーナーに行き、出てきている湯気に手をあてた。 「ということは、また、まけたのか?」 「または余計だろ!」 悟はぶーたれた顔をして文句を言った。
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