粉雪舞い散る夜に

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もともと僕と悟は部活で一年生の時に初めて会った。 クラスメートとなったのは三年生になってからだった。 ちなみに部活とは『バスケ部』の事である。 二人とも下手くそとは言わないが上手でもなかった。 悟はオデンをじっとみながら寒そうな顔して 「お前がいたら勝てたかもな………。」 と言った。 僕はなんとなく悟の言いたい事が分かった。 「タダではやらんぞ。金は持ってるのか?」 悟に言った。 悟は首を横に振った。 「ぜんぜんない。」 「お前なぁ~。」 僕は呆れてため息をついた。 悟は空の財布を僕の前に出した。 「昨日買ったジャンプが最後のお金だった。」 ぼくは呆れてきって、オデンをいれるポリの容器を取り出した。 「オデンの汁だけだぞ!!!」 僕は、そう悟に言って、容器に汁を入れて悟に渡した。
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