~禁煙解禁の夜~
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久しぶりの煙草だった。 仕種は手が覚えていたようだが、味はすっかり忘れていた。 久しぶりの煙草は、ほろ苦い味がした。失恋の味と言うのは、ちと古臭いだろうか。 そんなことを考えながら、煙の行方をぼんやりと見つめる。煙草の煙が、夜空に漂うのを。 煙草の火が、薄暗い中にぼんやりと蛍のように浮かんでいるのを……。
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