遥へ

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友達だった頃の僕らはケンカなんかしたことがなかった なのに僕らはある日ひどいケンカをした きっと、ささいなコトからだったと思う 今となっては内容さえ覚えてないくらいだから でも、僕は変なプライドを捨てきれず、君に謝れなかった 「あぁ、僕らは終わってしまうんだ」そう本気で思った 長い沈黙 次、どちらかが口を開く時は「別れよう」なのだと、その言葉だけが僕の頭を巡っていた だけど、君はしばらくして涙を溜めた瞳で僕をまっすぐ見つめ予想を遥かに超えた言葉を口にした ぶっきらぼうにさ 「ダイスキ」って あまりの以外な言葉に思わず僕は吹き出して笑い、君はまたふくれて「何よ‥」って、つぶやいた そんな君が愛おしくなって、僕は彼女を抱きしめて素直に「ごめん」って言えた その時、僕は決めた この人と共に一生を送ろうと
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