切り裂き魔

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「!?ウギャァアァァ!!」   その男は胸から太ももまでを大きく切り裂かれ、鮮やかな朱を大気に散りばめ倒れた。   「?!」   その場の誰しもが状況を理解できていない。   故に男達の思考が止まった。   しかし、男達は次々と切り裂かれていく。   腕や足、頭部が口を開ける。   脳みそは飛び散り、肉が地に堕ちる。   その光景は正に朱、朱、朱。   「どうなってやがる!一体てめぇ何しやがっ…!!」   叫んだ男も切り裂かれ、絶命した。   男が最期に見たのは、右手をこちらに向けている無表情な青年だった。   殺すことに恐ろしく戸惑いの無い目。   そこからは何の感情も読み取ることが出来ない。   銀髪が美しくなびいていた。
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