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渋谷に着くとユキに電話をした。
人混みほんと無理。
一気に不機嫌になった私は「交差点渡ってさー、スタバがあるんだけどそこにいて」と言うユキの指示に従い、人混みをかき分けた。
若いなー
皆。
普段京橋、銀座に慣れていた私は渋谷は場違いに感じた。
早く来い!!とソワソワして携帯をいじっていた。
時々、流れゆく人を見ながら「私、何してんだろ」とぼんやり思った。
しゅうちゃんに会いたいな。
新宿が恋しくなって、片手で携帯を持ったまま息が白くなるのを見た。
ドン!!
「!??」
肩を勢いよく叩かれ、びっくりしながらその人を見た。
「お疲れー!!!」
ユキだった。
「おぉ!!びっくりした!!」
少しホッとして私が言った。
「ごめんね待たせて。近くだから行こっ!!
つかぼーっとしてたけど大丈夫?」
ユキが笑って言った。
「あ…。いやぁ~…渋谷は人凄いなぁと!!」
私はため息まじりで返した。
「確かに!!」
歩いて五分くらいの場所に連れて行かれ、その間ユキは『連れ』の事を話した。
「急に悪いね!!でもまぁ、ただ飯だしイケメンだし!!いい奴等だからさ!」
「何の友達?」
私は不安げに聞いた。
「前の職場の友達。一人はね。もう一人は奴の友達で一緒に遊んだりして仲良くなったんだ♪」
「ふーん。何の仕事?」
「えっ?…今はねー…」
と途中で言いながら「あっ!ここだよ」と店を指して中へ入った。
少しお洒落な居酒屋だった。
はー。
愛想よくしなきゃ。
初めて会う二人に私はドキドキした。
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