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「連れてきたよー!!」
ユキが先に入って二人に言った。
私の心臓は一気に早まった。
「おーっ!」
男の声がした。
更にドキッとして、顔が強ばるのが分かった。
「あれ?サヤ!?」
なかなか中へ入らない私にびっくりしてユキが顔を出した。
「何してんの?」
お店は個室の作りだった。
私は入り口でモジモジしてた。
「でたよ人見知り(笑)」
ユキは笑った。
私は本当に人見知りで、初対面に愛想よくできなかった。
「大丈夫大丈夫!!二人とも喋るし、飲んだら平気だって!」ユキは小声でそう言った。
「う、うん。」
苦笑いの私にユキは笑って、中にいる二人に「ごめんねー!この子人見知りなんだよね!」と言って私の腕を掴んだ。
「あ、大丈夫」と言ってユキの手を振り払った。
「本当?」ユキはそう言って「じゃあ」と中へ入るように言った。
部屋の中に入ると男二人が並んで座って、向かいにユキが座っていた。
「サヤ」とユキが隣に座るように手招きした。
「うん」と私は不器用そうに言って何となく二人を見た。
一人は帽子を被ってた。黒いキャップ。
もう一人は明るい髪で目が大きかった。
イケメン!!!!!
私はびっくりした。
本当にイケメンだよ。
てか久しぶりに見たくらい、いい顔してるなぁ。
髪が明るい方は、甘いマスクと言うのが似合うチワワみたいな可愛い顔だった。
帽子の方はよく顔が見えなかったけど、私が彼の正面に座った時に目が合った。
イケメンだ…
薄顔で優しい感じだった。でも人見知りしそうな感じで目が合うとすぐそむけた。
何て事なく出逢ったこの日、気まぐれに来たこの場所に神様はしっかりイタズラな運命を置いてった。
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