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『待ってよ!!!!!!ねぇ!!!!!』
上手く声が出なくて、上手く走れない。
私は手を伸ばして追いかける。
『早く来いよ、おいてくぞ』
見えなくなる姿を私は追いかけたけど、見失ってしまった。
いやだ、いやだよ!!!
おいてかないで!
待ってよ!!!!!
『 空!!!!!!!!』
私は空と一緒にいた。
でも離ればなれになってしまった。
ポツンとどこかに取り残されて私は寂しさと悲しさが募った。
空!!!と叫んだ時は上手く声が出たのに……
聞こえないの?
届かないの?
やだよぉ…
離ればなれなんか
やだよぉ……………
泣きじゃくっていると
『サヤ!!!!』と声がした。
私はビクッとなって目が覚めた。
目の前には憂祐が心配そうに私を見ていた。
私の目はかすかに潤んでいた。
「………」
悪夢だ。
「大丈夫?何かうなされてたよ?」
憂祐の声にハッとして「あ…」とボーッとする頭で状況を把握しようとした。
「さっき帰ってきたんだけど…何でソファーで寝てんの?
何か嫌な夢見た?」
憂祐が言った。
「あ………。
ごめん。。憂祐の帰り待ってようとここで寝ちゃった」
私は夢の話をしないで答えた。
「風邪ひくよ。ベッド行こう」と言う憂祐の頭をクシャクシャなでた。
「え!?何!!?」
憂祐はびっくりして言った。
「変な頭。」
それだけ言って私は寝室に向かった。
「えぇ~~!結構キマッテるんだけど!!?」
憂祐は後ろからクレームをつけながらついてきた。
私はクスッと笑うと布団に入り、出来るだけいい夢を見れるように願って目をつむった。
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