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「ねぇ~」
憂祐が後ろから抱きついてくる。
「………」
「シカトかよ!!」
「………」
「俺今日頑張ったのに…」
憂祐が寂しそうな声を出したので、私は憂祐の方を見て、「あ、おかえりなさい★…てか今何時??」と私は言った。
「え?14時」
「わー!おやすみ!!」
寝る時間がない!!と私はそっけなく目を閉じた。
「クリスマスなのに~」
憂祐が泣き言を言った。
「……そいやあんま酔ってなくない?!潰れて帰ってくるかと思った。」と私は言った。
「今日はそんなにだよ♪もう冷めたし♪♪」
憂祐は笑って言った。
「お疲れ様」
私も笑って言った。
憂祐は私の髪を撫でながら言った。
「さっき何の夢見たの?」
私は布団に埋まりながら言った。
「…つまらない夢だよ」
憂祐は ふーん… と言って手に力を入れた。
「イタッ」
髪を掴まれ私はびっくりして目を開けた。
「あ、ごめんごめん!!つい!」と憂祐もびっくりした表情で言った。
……ついって…。
ホッとしてまた目を閉じようとしたら憂祐がそっと言った。
「 空!って言ってたよ?」
私は一瞬心臓がドキリっとした。
やば…寝言付きかよ……
少し沈黙が流れた後、「うん。つまらない夢でしょ?」と言って私は眠った。
その時、憂祐の顔を見ることは出来なかった。
ただ、眠りに落ちる時に聞こえた小さなため息が、何だか深く感じた。
私はそれを聞かないフリをした。
空と離ればなれになる夢を私は何度も見た。あの時が初めてではない。
いつも同じパターン。
それを空に言うと、決まって「そうゆう夢はいいんやで??」と笑って言った。
夢は逆説とよく言うが、私の夢は正夢になりやすい。
笑う空に、たかだか夢だけどされど夢だよ と私は言った。
ちっともいいわけないよ。
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