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早く起きようと頑張った。
重い体を引きずるようにして布団から這い上がる。
憂祐はアラームが鳴っていても眠ったまま。
私はリビングにノロノロ向かい、携帯をボンっとソファーに投げとりあえずお風呂に入る。
シャワーにあたりながら「昨日は早めに帰ってきたけど、やっぱりキツイな~。良かった自分んちじゃなくて。」と考えた。
飲みに行った日は自分んちに帰るのが辛い。
憂祐の家に帰ると何倍も楽だったけど、何だか気持ちは重たかった。
髪をタオルで抑えながらリビングに戻りテレビをつける。
「クリスマスって感じじゃないなー…」
ぼんやり呟きながら化粧水をパタパタつけた。
今日はいつもより早く起きたから、時間に余裕がある。顔のマッサージをしていると憂祐が起きてきた。
「う~~ん…」
と言って憂祐は私の隣に来てうなだれる。
「早くない?」と私が聞くと「ん~…」と目をこすった。
「今日も同伴だし~~」
だるそうに言う憂祐に「にしても早いよ」と私が言った。
「姫たっての希望で…ヒルズのイルミネーションが見たいらしいです」
憂祐はテレビをぼんやり見ていた。
「へぇ~。頑張るね王子」と私は感心した。
「バカ言うな。俺は本当はお前と行きたいのにっ!」
憂祐は眉をしかめた。
「あ~~……ごめん。クリスマスらしい事何一つしてあげられなかったね…」と私は言った。
「ごちそう担当なのに~」
憂祐は意地悪く言って、お風呂場に行った。
憂祐あんまり寝てないじゃん…大丈夫かな。
私は心配になった。
その時、ピルルル~と私の携帯が鳴った。
【着信:陽平くん】
「わ!」
私はびっくりして、慌てて電話に出た。
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