552人が本棚に入れています
本棚に追加
/303ページ
「…もしもし?」
私は怪訝そうに言った。
『なんやねん、その探るような声は。』
陽平が突っ込む。
「いやいや……。
あ、昨日ごめんね!寝てたわ」と私は顔が見えない事をいい事に嘘をつく。
『ほんまに寝てたん~?』意地悪な声で陽平が言う。
「なんで?」と私が聞くと『いや~。どっか行ってたんかなぁって。』と陽平が言った。
「行くわけないよね。」
私は平気でまた嘘を重ねる。
『ほんなら今日空いてる?』
陽平が声を高くして言った。
「えっ?」
私が不思議そうに聞くと、『今日仕事終わった後、飯行こうよ』と陽平が言った。
『ほんで、その後店来たらええよ。俺今日ちょっと暇やし、久しぶりやん♪またイイモノ見れるかもよ♪』
ケラケラ笑う陽平に「営業かっ!」と私は言った。
『お金とってませんし~♪…てか久しぶりにサヤに会いたいねん。飯だけでもどう?どうせ帰るだけなんやし』
いや………
私がモゴモゴ言ってると『何か予定あるん?』と陽平は聞いてきた。
友達と約束が!!!
とか言っとけよ自分。と思ったが、通用しない気がした。
『来ないと昨日どこに行ったかハルにバラすで?』
私は陽平のその言葉にドキッとした。
「え??………」
『お前ほんとはホスト行ってたやろ』
!!!!!!!
何で知ってるの!!??
私が絶句してると『え、ほんまなん?ちょっとカマかけたんやけど……』と陽平が言った。
「わー!!!!!!もう!!!!!!」
と電話口で私は叫んだ。
『あはは(笑)俺をなめんなよ?』
私は白状した。
『ま、初回やし………ってか俺はてっきり“アッチ”やと思って昨日電話したら初回やったか…』と陽平が言った。
「初回でお腹いっぱいです~」と私は言った。
『あちらさんの店行かんの?』
陽平が痛い所をついてきた。
「行かんよ」
私は声のトーンを下げてムッとした感じで言った。
『ふーん。
じゃぁ今日仕事終わったら連絡してねーん♪』
と陽平がいった。
うぅ………。
その時ちょうどお風呂から憂祐が出てきた。
電話してる私を見て、口パクで「客?」と聞いた。
私は首を横に振り「陽平くん」と言った。
電話の向こうで『ん?何?』と陽平が言った。
最初のコメントを投稿しよう!