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「涼さんに飯誘われたんでしょ?いーなー」と憂祐が言った。
「いや、私行くって言ってないんだけど………」
「え、そうなの?」
「うん…」
というか、今日は仕事終わったら空に会うし、それまでは漫喫でお化粧直そうかなとか考えたから無理!!!!
と私は心の中で叫んだ。
「今日、何かあるの?」
と憂祐が真顔で聞いてきた。
私は、友達と………と言おうとしたが目が泳いで嘘がバレそうだったから、「今んとこないけど、友達とご飯とか行こうかな?って。」とわけわからない事を言った。
クリスマスだし…と、これまた意味不明な事も付け足して。
憂祐は「ふーん」と言った。
私は「わかんないけどね!そのまま帰るかもだし。そしたら陽平くんとご飯でも行くかな」と言った。
「どうせ予定なくて未定なら涼さんと行けばいいのに。」
本当は何かあるんでしょ。と言いたそうに憂祐が言った。
私は何も言えなくなって、「気分屋だから」と済ませた。
憂祐はそれ以上何も言わずに黙ってキッチンに行った。
私はテーブルに散らばった化粧品をポーチにしまい込んだ。
「サヤ」
と言われ、憂祐の方を見ると憂祐は白い箱を持ってニッと笑った。
「あ。」
私はその白い箱の存在を思い出して、また胸がキュンとなった。
「食べよ♪」
憂祐は箱をテーブルに置き、テープを切って中身をゆっくり出した。
私は わぁーい♪♪とはしゃぎながら中身が完全に出るのを待った。
私が嬉しそうにしている顔を見て、憂祐はまた笑顔になった。
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