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「お皿お皿♪♪」
と私は小走りでキッチンに向かい、お皿とフォークを2つずつと包丁を持って戻った。
私が「どこ食べるぅ?」とウキウキしながら憂祐に聞くと「どこでもいいよ。サヤは好きなとこ食べな」と言って笑った。
私は一層「わーい♪」と言ってケーキを切り分けた。
そして、「憂祐、有難う。私何もしてないのに………」と言った。
「いいよ別に。
ケーキくらいでこんなに喜んでくれたら安いもんだよ(笑)」
憂祐が笑って言った。
「安い女だろ?」
と私がニヤリと笑った。
「それに俺は別にお前がいればいいし」
その憂祐の言葉に、耳まで赤くなりそうになった。恥ずかしくて慌てて話題を変える為に「あれ?シャンパン担当の憂祐くん。シャンパンがありませんなー」と私は言った。
「家でシャンパンとかやってません!てかお前ごちそう担当じゃなかったっけ?」
憂祐も交わす。
「私は憂祐担当なんで!!」
と言い、ケーキをパクっと食べる。
「わ、ずりぃ~な!!俺だって!サヤ担当だよ!!」と憂祐がムキになった。
私が笑っていると憂祐の顔が曇った。
「あ。」
私が不思議そうに憂祐を見つめていると憂祐が言った。
「お前担当はもう居たっけ。」
部屋の中は、それまでの笑いの空気を一気に消した。
そんな事は、今日言わなくていいのに。
クリスマス気分が壊れた。
でもその原因を作ったのは私だ。
何も言わないでいる私に、憂祐は救いの言葉を求めた。
「ホストと彼氏じゃ違うでしょ」
精一杯の言葉を私が吐き出した時、憂祐の携帯がけたたましく鳴った。
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