怠惰

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陸と帰る途中、ふと気になったことを聞いてみた。 「何で荒木がいいんだ? クラスにも可愛い子いるだろ。そんなに年上が好きなのか?」 「当たり前だ! 俺のアンテナに女子は反応しない。やっぱ女は年上じゃなきゃな。なんかエロイし。」 「やっぱそこなのか。」 「年上の人荒木先生しかいないだろ?」 陸の言うとおり、僕が通っているルティオルガーデンは教師が一人もいない。この学院だけではなくすべての地域で。 2200年に法律上『教育に必要なものは教師ではなく情報』という人件費と教師一人一人の教育方針の差をなくすため、そんな理論が確立された。 そのため、学院内は生徒以外で存在を許された人間はアンドロイドを管理・整備するオペレータとなぜか保健室の先生だった。 陸の話では、『保健の先生がアンドロイドじゃ行く気なくすだろ!』ということらしい。 治療するのに必要なことなのだろうか? 「じゃあ、僕は帰るよ」 「え? ゲーセン寄って行かねぇの?」 「今日は気分じゃないんだ」 「おう。じゃあまた明日な」 適当な言い訳をして陸と別れた。
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