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――プァアアア…ン
遠くで汽笛の鳴る音がする。
少女はガタガタと震えながら、ビルの屋上から線路を見下ろしていた。
「ほぉらどうしたの?もうすぐ新幹線、来ちゃうよ?」
少女の背後で声がする。
少女は目に涙を溜めながら、声の主へ必死で訴えた。
「…め、女神様!!
やっぱり私には無理!!怖い!!
やっぱり死にたくない!!!」
女神と呼ばれたその女は不気味に笑うと、少女の頬をうっとりと撫でた。
そのまま、頬に伝う滴をべろりと舐めとる。
「…大丈夫。いい子だから。
あなたは選ばれた子供なんだよ?」
女神はまるで赤子をあやすのように、少女の頭をよしよしと撫でた。
しかし、少女は恐怖に耐え切れず、鳴咽を漏らしながら泣き出してしまった。
「…い、嫌だぁ!嫌だぁッッ!!!
死にたくないよぉ!!!
怖いッッ!助け…ッッ」
そこまで言って、口を塞がれる。
―…女神の唇によって。
女神はそのまま、舌を絡ませ濃厚なキスをする。
深く、深く、嫌らしく。
少女はその快楽に酔いしれ、やがて意識はぼんやりとし始めた。
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