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「ねー知ってる?!今日のニュース見た?!」
さっきまでけだるそうにしていた遥香が、突然きらきらと目を輝かす。
「え?何?」
メディア関係に全く疎い奏は、きょとんとした表情で遥香を見た。
「もぉ!やっぱり奏は知らないのかー!
ニュースくらい見なさいな。
森泉綾が集団自殺したって!」
「森泉綾って…?」
「…おっつ…」
遥香が頭を抱えた。
「かなちゃーん。そろそろ半年経つんだし、クラスメートくらい覚えよっかぁ。
森泉さんってかなちゃんのクラスメート!
もぉ本当にマイペースなんだから…」
遥香はぶつぶつと文句を言う。
これだからクラス離れちゃって心配なのよねー。と唇を尖らせた。
「ごめんごめん!私本当に人の名前覚えたりすんの苦手でさー!」
申し訳なさそうに奏が答えた。
少しでも遥香に合わせようと、自分から質問を投げ掛ける。
「でもなんで自殺なんかしちゃったの?」
「それがねー。なぁーんかよくわかんないんだって!
森泉さんって成績も優秀で金持ちのお嬢ちゃんだし。
一時の気の迷いじゃないかって!
でも最近多いよねー集団自殺。森泉さんの他にも7~8人一緒に線路に飛び込んだらしいよ。」
「ふーん。」
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