招待状

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奏はそう適当に答えると、横目でちらりと遥香を盗み見た。 ―――なんだか嫌ぁな予感… 「でねぇかなちーん!!」 「嫌だ!行かない!!!」 「えー!そんな冷たい事言わないでよぉ! 私一回はこの目で見てみたかったんだよねー!自殺スポット!! 学校の近くだしぃ!お願ぁい!!!」 キャラに似合わず、遥香が一生懸命猫撫で声でおねだりする。 ――そう。 遥香はものすごいオカルトマニアなのだ。 映画や小説だけじゃ飽き足らず、心霊写真や心霊スポットなんかも大好きで、暇な休日は一人でスポット巡りを楽しむくらいのはまりっぷりである。 そんな遥香が今回の事件に首を突っ込まないわけがない。 自殺してしまった森泉さんには申し訳ないが、オカルトやホラーが大っ嫌いな奏にはたまったもんじゃない事件だ。 「やだやだやだ!どうせ行ったって警察が立入禁止にしてるよ!」 「線路だからそれはないって! ねぇ~お願ぁい!!今度いくらでも買い物付き合ったげるし、蛸ふねのタコ焼きもおごるからぁ!!」 「蛸ふねッッ!?」 一瞬にして奏の顔がぱぁっと明るくなる。 ―…明るくなってから、しまった!と思った。 「よぉし!じゃぁ決まりねッッ!!! この遥香さまがいくらでもおごってやらぁ!」 いたずらっぽい笑顔を浮かべながら遥香言った。
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