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幸と不幸、陰と陽が混じり合う素敵な世界にこんにちは。
俺は、その家の長男として生まれた。
予定日一ヵ月前の破水による早産だったが、特に問題なく盛大に泣いて帝王切開で生まれ落ちた。
後に母親が
『局所麻酔で意識あったから内臓が掴み出される感覚で気持ち悪かった』
と、率直な感想を教えてくれた。
アルバムを見た記憶では、ウィンクした俺がいる。
赤ちゃんにはよくあるそうだ。
兎にも角にも、祝福され、自分でも好きな名前を与えられ、俺は人生をヨチヨチ始めた。
寒い冬の出来事だった。
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