500人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
次男誕生
寒い冬。
俺がヨロヨロ歩き、舌足らずな言葉を話していた2歳を数日過ぎた辺りに、弟は帝王切開で生まれた。
泣き声が女の子の様だったそうだ。
当日、病院で騒ぐ俺と、1歳下の従姉妹の声を収めたカセットを聴いた事がある。
何を言ってるか分からないが、全力な生命力を感じる。
現在の俺が暮らすアパートの近くに、俺と弟が生まれた産婦人科がある。
当日の記憶が僅かに残っている。
白熱灯のオレンジの柔らかい光。
穏やかに眠る弟と、それを見守る母親。
今でも白熱灯の光が好きなのはこのせいかもしれない。
弟よ。
いらっしゃい。
楽しくやろうぜ。
最初のコメントを投稿しよう!