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彼の向かった先は公衆電話であった。
当時小型無線機も無く衛星通信が無い時代に、同じ国にいる相手に対しての場合のみ使われたのが公衆電話である。
アメリカに数多くある公衆電話は全てを監視するなど無理である。
ましてパソコンや電子機器が無く、まだ人間が監視をしていた時代では一番安全な方法で、かつ連絡が素早く取れる方法だったと言えるだろう。
「プルルル」「ガチャ」
「もしもし、ハロルドさんですか?」
念を入れて暗号で会話をしている。
「デイビットか、彼女に告白する準備は出来たのか?」
彼女とは彼の狙っている獲物を意味した。
「出来たよ、だけど緊張して少しクラクラする。」
「緊張してクラクラする」、これは作戦実行して大丈夫か確認する為に使う言葉である。
「深呼吸しろお前のあだ名、ダーティサイトのアダ名の通り彼女を射止めてやれ。」
アダ名はコードネームを意味し、区切った後の名前がコードネームである。
つまりこの場合「サイト」と言うのがコードネームである。
何故日本人がアメリカの特撮映画にでも出てきそうな、コードネームと呼ばれる物を使うのか?
それには理由があった。
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