1話

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悠『さゆり、まだー?』 さゆり『待ってーっ、今行くっ!!』 寝癖なんてどうでもいい。早く着替えなきゃ、置いてかれる。 玄関では悠が両手ポケットに突っ込んで、つまんなさそうな顔。 廊下をドタドタと勢いよく走る。 さゆり『お、お待たせ!!』 悠『俺まで遅刻するから、早く行くぞ』 悠に引っ張られて足元が一瞬絡まった、案の定顔面から…。 さゆり『─ったー!!』 悠『あぁ~、もうお前何やってんだよ~…ほんと、ドジよな』 笑いながらも、上半身を起こしてもらった。 さゆり『ふぇ…痛い……』 おでこを思い切りぶつけた。すごく痛い。 たんこぶ、絶対できそうな程に痛かった。 悠『ここぶつけたのか?』 急に悠の顔が近づく。 即、体は硬直化してしまう。 さゆり『う、ん…』 悠『あ…これ、腫れるな。冷やした方がいいよ。』 時計を見れば、もう遅刻確定であろう…。 自転車に2人乗り、猛スピードで学校へ向かった。
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