1話

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自転車のハンドルを握り、途中のゆるい下り坂を走る。 まるで、ゆずのあの曲みたいな。 さゆり『悠ー、こわいーっ!!速いーっ!!』 悠『しっかり捕まってないと、振り落とされっぞ!』 さゆり『そんなのやだーっ!!』 思い切り悠の腰に腕を回してしがみついた。 悠の体って、こんなに厚みあったっけ? 昔は痩せてて、ヒョロヒョロだったのに、いつの間に…。 悠『着いた!!ほら、行くぞ!!チャイム鳴っちまうからっ』 さゆり『あぁ、待ってよ、悠!!』 校内の駐輪場に自転車を止めたかと思うと、もう既に10m先を走ってる悠の背中が見えた。 さゆり『うわぁ!!悠、待って!!』 悠『はーやーく!!』 時間はHR開始3分前。 あたしは1年の教室、悠は3年の教室へとそれぞれ走っていった。
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