1話

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どうせ悠は、あたしの事なんて妹にしか思ってないもん…。 それでもいい。悠の近くに居られたら、妹でもいいと思ってた。 けど……やっぱり好きな子とか彼女ができたら、あたしなんか構ってもらえなくなるよね? さゆり『ねぇ、しんちゃん…』 慎『んー?』 飴を食べ終わったかと思えば、次はドーナッツを食べていた。 さゆり『…ドーナッツって…』 慎『お前もほしいの?』 さゆり『いや、いい…や』 ほんと、究極の甘党だね、しんちゃんって。 慎『何か聞きたい事あんだろ?まぁなんとなくわかるけど』 そう言いながら、あたしと同じ先を見ていた。 さゆり『…誰なの?あの人…』 慎『同じクラスの奴』 さゆり『そう……。 遠くでしか見えてないけど、可愛いね…』 グラウンドでは悠と、その女の子が仲良さげにじゃれあってる。 あたしだけに向ける笑顔…だと思ってたのにな。 もう独り占めできないんだ、悠の笑った顔。 慎『まぁ、…そう落ち込むなよ』 そんな事言われても、今のあたしには落ち込むしかないんだもん。
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