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静かに扉が開いた。
「香織…」
「私の恨みよりアイツの苦労をかわいそうに思ってるの?
ねぇ?そうなの?」
隆の腕を力いっぱい掴む。
「香織…痛いよ。」
「ねぇ!!そういうことなんでしょ!?
許してやれって言うんでしょ!?
私の憎しみなんてくだらないって
そう思ってるんでしょう!!」
香織は、顔をグシャグシャにして
隆の肩や胸を拳で叩き始めた。
「香織…」
「解んないわよ!!
隆には解んないわよ!!
私がどんな気持ちで
文緒と出会ってからの時間を過ごしてきたかなんて。
どんな思いで生きてきたかなんて。
解んないわよ!!」
「落ち着け
ちゃんと話をするんだ。」
「いい人ぶるのもいい加減にしてよ!!
本当は私と結婚したくなんかなかったくせに!!
子供が出来たって言ったから
仕方なく結婚したくせに!!」
思い切り隆を突き飛ばした。
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