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「香織とはさ
どういうキッカケでこうなったの?」
思い出したように話した。
「ああ…。
そうだな…。お前たちが卒業して三年…四年くらいたった頃だったかな。
俺がよく行く店で偶然会ったんだ。
会ったとき、俺は誰だか解らなかったんだけど香織は覚えてて」
『香織』
彼の口から初めて名前が出てきた。
私の名前だけを呼んでいたのに―――。
今更、そんなことを気にしてしまう自分が嫌だ。
隆が煙草に火をつけた
「それから一緒にご飯行こうって話になって
映画行ったり、遊園地付き合ったり、またメシ行ったりしてる間にかな。」
「そうなんだ…。
私の時はそんなこと出来なかったもんね!」
少し胸が痛む。無理矢理の笑顔を向ける。
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