Truth

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「ホントにごめんね。 隆は今も学校の先生?」 「ああ…。そうだよ。」 「そう…。 香織は市役所勤めだっけ?」 「ああ。毎日大変みたいだ」 「だろうね。役所っていつ行っても人がいっぱいだもんね。」 また、沈黙が訪れた。 隆は煙草をくわえた。 煙が靄のように広がる。 駄目だ。 沈んでしまいそう。 「今日来たのは 香織に話があったの」 隆が顔を上げる。 「なんか私 憎まれてたみたいで 全然知らなくて。 あれから考えてみたりもしたんだけど それでもやっぱり解らなくて…。 隆は何かそんな話聞いてない?」 「さあ… 聞いたことないな…。 香織がそんなこと言ったのか?」 「うん。 この前会ったとき言われたの。 今日はそのことをきちんと話したくてきたの。 だけどいないんなら仕方ないね。」 「ああ…。悪いな…。」 「いいの。 悪いけどまた日をあらためてお邪魔させてもらうね。」
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