Truth

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「文緒はさ」 帰ろうとした矢先だった。 「……なに?」 煙草をもみ消す。 「成績良かったよなあ!」 訳が分からないが、もう一度座り直す。 「うん?」 「小さい時からずっとか?」 「うん…。高校のときに話したことあるかもしれないけど 家、父も母も忙しくて 構ってもらえなくて 誰もいなくても私は出来るんだって 親のこと見返したいと思ってたから いい成績をとるのに必死だったの。 でも、中絶のことがあってからは きちんと話が出来るようになって、そんな必要もなくなった。 今は結構肩の力を抜いて生きれてると思う。」 「そうか……。」 隆は複雑な表情をしている。 「妊娠のことは 辛い思いをしたけど それだけじゃなかったんだよ。 もう大丈夫だから。 隆も楽になっていいよ。 許してあげるよ。」 おどけた口調で言った 言葉と笑顔に 隆はゆっくり頭を下げた。
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