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「香織」
二階の寝室のドアをノックする。
「香織。出ておいで。
今日は帰ってもらったから出てきなさい。」
香織は扉を背に膝を抱えて座ったまま、動かなかった。
「聞いてたんだろ?
さっきの話。いい加減俺たちもちゃんと話しよう。」
「聞いてるのか?
文緒の話聞いただろ?
お前に辛い思いをさせてたかもしれないけど、それにはアイツなりの理由があったんだ。
解っただろう?」
香織は返事をしない。
「香織
聞いてるのか?
…出ておいで。話をしよう。」
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