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「本当は私のことなんか…好きじゃないんでしょ?
もう一度子供を殺すのは
自分の気が咎めるからでしょ!?
だから一緒になったんでしょ!?
子供なんて出来てなかったけどね。
初めから。」
隆は動かなかった。
目を香織に向けたまま
じっとしている。
「何か言ってみなさいよ。
言えないでしょうね。本当のことだから!
何も言えないはずだわ!」
香織は勝ち誇った顔をしてみせた。
「香織は?」
「えっ?」
突然の問いにさっきまでの自分を見失う。
「香織はなんで俺と結婚したんだ。
子供が出来たと偽ったのはどうしてだ。
俺のことが好きだったからか。
それとも
文緒を見返すためか。」
香織は目を見開いたまま
隆を見つめた。
「どうしてだ?答えてくれ。」
香織は何も言えなかった。
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