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「香織
お前は文緒を恨んで見返すことに必死だった。
だけど一方で文緒も親を見返すのに必死だったんだ。
この話を聞いてお前は何を思う。
それでもまだ文緒を恨み続けるのか?」
香織は目をそらす。
「文緒はお前と友達でいたいんだよ。
お前が文緒に何をしたかは知らないけど
それでも文緒はお前を許してるじゃないか
だからわざわざこんなところまできて
お前と話がしたいって言ってるんだろう?」
「私は……
文緒を友達と思ったことなんて…。」
「一度もないのか?
香織。すぐに全てを許せとは言ってない。
少しずつでいいんだ。
今日みたいに知らなかった文緒を少しずつ知っていくことが大事なんだ。
そこで解ってくることがたくさんある。
その中にお前と文緒のすれ違いや勘違いがきっとある。
きっと見えてくる。
そうすることで許していけるんだ。
文緒のことも、自分自身のことも。」
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