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「自分のことも…?」
「そうだ。
ゆっくり考えろ。
それからでいいから
俺たちの話もしよう。
もうすぐ子供が産まれるのに
今のままじゃ子供がかわいそうだ。」
「先生みたいな話し方しないでよ……。」
「ごめん。
俺は先生だからさ……。」
香織は壁にもたれた。
そのまま床に崩れ落ちる。
「馬鹿じゃないの
何 真剣にバカみたい……。」
隆はしゃがみ込んで
香織を強く抱きしめた。
「これから本当の夫婦になっていこう。」
香織は解らなかった。
この人も文緒も
どうして私を許そうとすることが出来るんだろう。
解らない。
だけど解ることが一つだけあった。
この腕の中にずっといたい。
今 それだけが
私に解る真実だ。
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