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『お前はどうしたいんだよ!』
沢井の言葉が鳴っている。
『このままでいいのかよ』
このままでいいワケがない。
どうしたいかなんて
決まってる。
僕は部屋に戻り、黒い紙袋を引っ張り出した。
簡単に手に収まる小さな箱を開ける。
サファイアの指輪が光る。
文緒の誕生石だ。
クリスマスにプロポーズしようと思って用意していた。
捨ててしまえば
楽になれるだろうか。
違う誰かと付き合えば
忘れられるだろうか。
どれも違う気がする。
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