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食後は自分の部屋で休む。
「アナタはまだ小さすぎます」
「小さいのは父譲りだ」
「身長の話を誰もしてません、若すぎます・・」
「何が言いたい?」
ジェイスの遠まわしの言い方に少しずつ苛立つアレイ。
「もう、寝る時間です。明日もあるんですから、早めにおやすみください」
「・・・明日はあるのだろうか?」
「何を言ってるんですか?ありますよ」
そう言ってジェイスは明かりを消す。あたりが暗くなる。
「おやすみなさいませ・・我が主・・・」
遠くで女の叫び声がしたが、アレイは眠りについていたため聞こえなかった。
夢を見た・・・
懐かしい夢だ・・・
あの運命の書かれた紙を見つけた時の・・・
まだ、7歳のアレイは幼い頃から才能を発揮し、すべてにおいて完璧な男の子であった。そんなアレイが魔術の本に興味を持った時の話だ。
『この紙を見つけてくださる日を心よりお待ちしておりました・・・主』
そいつは急に俺の後ろに現れた。
音もなく黒いコートに体を包む姿はまさしく死神そのものだった。
「おはようございます。主、アレイ」
こいつの声で毎朝、起きる。
また、今日が始まる。
「アレイ、聞いて!!」
「どうしたの?」
「昨日、少女殺人事件があったらしいのよ」
うちの姉は厄介者で、事件や奇怪な現象には反応せざるおえない神経を持っている。
「また厄介事を増やすつもり;?」
「だって気にならない?見つかったのは袋小路で悲鳴に駆けつけた時には犯人の姿はなく、殺されていたなんて!!」
「バカだ・・・」
「今、何か言った?」
「言ってない」
「で、もし情報を手に入れたら教えてね!!」
そう言ってカシルは学校に行った。
「少女殺人事件ねぇ~」
アレイは姉が読んでいた新聞を眺め呟いた。
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