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まさみちゃんは、初めて任された企画に少々グロッキー気味
『小町先輩なんか、こんなの3つくらいこなしてるんですよね…尊敬します』とデスクで倒れていた
『でも前にいた経済雑誌のほうがよっぽどすごいじゃない、週刊誌だったし。それに比べたら』
『いや、数字はパソコンでうてばいいし、人の喜怒哀楽やら感情みたいなのいらないですから。でもここの企画には、読者の期待がかかってます。そりゃちっぽけな感情かもしれないけど、人間には必要だと思うんです』
『経済だってやり甲斐はあったでしょ?人生左右するんだもん。まさみちゃんなりに気持ちもあったんじゃない?』
『確かに。私は数字が命でした、高校生から。毎日経済新聞みたり、パソコンで株価みるの大好きで予想があたると、はんぱなく嬉しかったですね。自分はしたことなくてもこれのサポートできたら最高かなと』まさみちゃんとこんな話しは初めてだ
『大学も経済学部だったし、就職も投資会社がいいなと思ってました。でももっと違うめんでと考えるようにと、この会社きたんです。もちろんどこに回されるかわからなかったけど、運よく経済関係に…
がむしゃらでしたよ(笑)おじさんたちに負けたくなくて、ここにいるより徹夜もしました!この私が!(笑)だから朝はテンション高いんです』
あははは、ようやくわかってきた。テンション高い理由が(笑)
『ある日ですね、徹夜明けに屋上いくと、どこかのカメラマンさんが屋上の花にシャッター押してたんです。1時間くらい(笑)私が雑誌載せるんですか?って聞いたら、いや、綺麗だったから撮ってたんだよって』
『変わった人だね』
『でしょ、そしたら君も撮ってあげるよって花バックに撮ってくれたんです』とデスクの引き出しから写真をだしてきた
嬉しそうに笑うまさみちゃんの後ろには綺麗な花と都会の高いビルが写っていた
『数字は今でも好きです。でも好きだから数字書こうなんて思わないですよ。それにこのカメラマンさん、本職はカメラマンじゃないんです(笑)』だれなんだろ?
『副編集長の後藤さんです(笑)写真とってしばらくしてうちの部署に届けてくれました』
『後藤っち?』
もしかして、まさみちゃん?
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