春の嵐

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『先輩は一目惚れって信じますか?私はまさに一目惚れだったんです!それですぐにこの部署に転属届けだしました』 キラキラな瞳でまさみちゃんは語ります 『始めは無理かもと思ってましたが、仲代編集長が人数いるからって…それに前の部署には新卒の人決まってたみたいだし。しかも東大ですよ!あっさり私はなせてもらえました(笑)』 後藤千春…通称後藤っち バツイチ独身の35歳 いつも笑顔で仕事だが、指示は仲代のオヤジより鬼内容。ダンディーでかなりのオシャレマスターだ。そこそこモテてる あの男が花の写真?内心私は驚きである。イメージは冷たい男No.1といっていいほどだし、人に写真とって出来上がり渡すなんて優しい事絶対ないです、この私の中では! 『後藤さん時々、花の写真くれるんですよ。山なんか行ったときは山の花、植物園いった時の花。もらうたび勘違いしちゃって(笑)だからお返しに私は仕事がんばってるんです』 後藤っちが花…花オタ… でもわかるよ、まさみちゃん!勘違いしちゃうよね!私だってそうだもん 『不純な動機だって思いますか?』 『全然!恋がなきゃ仕事の意味ないじゃない。干からびた女でいるより、恋でじたばたしてる女のほうがいいに決まってる』 『先輩も恋してるんですよね!』 『してるよ、悪戦苦闘だよ(笑)仕事に邪魔されても負けない』 『ですよね!』 『こら~!!おまえら何サボってやがる!』 ほらきたオヤジのカミナリだ 私は部屋をでて、のえる先生の原稿を取りにいった。呼び鈴を鳴らしてでてきたのは旦那さんだった 『春子、すぐ帰ってくるから待っててください』 赤ちゃんをあやしながら旦那さんは私をリビングに通してくれた 『すいませんね、俺アイツの仕事はあまりわからなくて、どれ渡したらいいのか』と赤ちゃんをベビーベットに寝かすとコーヒーを入れてくれた 『私のほうが早くきすぎました。夕方っていってたんですよ』 『実家に用事とかで急に出ていきまして。俺は久しぶりに休みなもんでこんな恰好です(笑)』怖かったイメージが一転した。怖いどころか爽やかな人です 『あの…安藤和巳さんってご存知ですか?』
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