春の嵐

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桜の花も咲く頃…いやもう散りかけてきました 編集長が珍しく私を個室に呼びました 『なんかあったんですか?空気重いです…』 『栗原、4月からお前部署移動だ』 『ええ!どこ回されちゃうんですか?スポーツ部ですか?それともマスコミ?』 『いいえ、あなたはクラシカル倶楽部の姉妹雑誌にきてもらうのよ』 そこには会社では有名な立木純子さんがいらした 彼女はメディアスという週刊誌の副編集長で最近編集長にと噂がたっていた 『はじめまして、栗原さん。立木純子です。今回創刊されるアリサの編集長に任命されましたよろしくね』 『こちらこそよろしくお願いします!でも私のような人間がクラシカル倶楽部の姉妹雑誌に移動なんて…』私は半泣きで二人の顔を見た 『いい機会だぞ、栗原。編集長直々のご指名だ』 『編集部のスタッフはだいたい決まってます。今入院してる速水くんにも、カメラマンとしてきてもらうつもりなんで』 速水も決まったんだ 立木さんは本当にできる人、キャリアウーマンである。歳はたしか32だったと思います。 果たして私がついていけるのだろうか 『アリサはクラシカル倶楽部より少し軽い感じにしています。決してセレブでなく、安物でもない。だから根本はここと似ていると思います。違うのはクラシカル倶楽部と同じ、女性がターゲットな事ですね。30代後半から50までを目指してます。あと、専業主婦、職業主婦、独身は問わない内容にしていきます』 なんてテキパキした人なんだろう。しかしこの人こそ私の春の嵐だったのです
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