砂漠のオアシス

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『栗原さん、やるわね』と一人の女性が声かけてきた。髪を後ろでぎゅっとしばって、宝塚の男役みたいな感じの人だ 『私、天川瑠璃子。クラシカル倶楽部の居残り(笑)よろしくね』 『栗原小町です。よろしく(笑)いきなり企画会議で顔合わせしてもお互い誰かわかりませんよね』確かに創刊が決まりみんな黙々と仕事しており、挨拶もそこそこで相手をわかっていない 『私はクラシカルではファッション担当だったんで今回も任されてるの。栗原さんは、担当する幅が広くなりそうね』 『前もそうでしたから。しかしまあ、立木さんは妥協しないすごい人ですね。噂に聞いてましたがこんなにすごいなんて』 『本当ね、メディアスでも相当すごくて、社長から自分でスタッフ選びなさいって言われたらしい。だから移動にもあまり支障なかったみたい』 そうなんだ…すごい人なんだなぁ。これは私も中途半端な事できないなと思った。明日から取材で10ヶ所回るつもりにしている。だから今晩は… その夜達也さんに電話してみた 『大変な事になってたんだな。うちもあいつらが5年生になってなにやらバタバタだ』 『5年生か。じゃあ彩花ちゃんは転校しちゃったんだね』 『そうそう、もうしばらくは口もきかなかったけど、最近サッカー始めてから気持ちそっちにいったみたいだ』 『子供はいいね。達也さん、私のマンションと達也さんちの間に公園ありますよね?今からこれますか』 『いいけどどうしたんだ?』 『とにかくきてください』 私はしばらく顔見れないだろう達也さんに会いたくなった 達也さんはすぐきてくれた 『なんかあった?』 『しばらく顔見れないから見たくなりました』 『そんなに忙しくなるの?』 『はい。私の顔よ~くみてください』と私は踏ん張った顔をみせた 達也さんは笑いながら 『こりゃ忘れられないな』そういって、初めて私にキスをしてくれた 『おじさん本気にさすな』 『おじさんなんていません。いるのは達也さんだけです』と私は抱き着いた。私達はしばらくそのまま抱き合っていた
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