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『なんか急に涼しくなったよね。立木さん、編集長やめたんだって?』コーヒーをたてながら、のえる先生は言った
『今は別の雑誌の副編集長なんですけど、別人みたいにイキイキしてます』
『私は立木さんには恩あるから頑張ってもらいたいのよね』
『そうなんですか』
先生は左の甲を私に見せた。焦げたような入れ墨のような黒い斑点がいくつもあった
『好きな人守るために作ったやけどよ。アキラちゃんの無罪の記事差し替えてくれたの立木さんだったの』
立木さんもすごいけど、のえる先生もすごい!
『私はアキラちゃん守るためならなんでもするわよ。プロポーズだって私からしたんだから(笑)一生あなたを守りますって』先生の笑顔と真理子さんの笑顔が重なった
『栗原さん、好きな人いたら迷ったらダメよ。確信もって好きにならなきゃ。ましてや相手も好きでいてくれるなら尚更よ。人を好きになることが大切。仕事なんて、あとからいくらでも着いてくるから』
迷ってた自分がすごく馬鹿らしくなった
『そうですよね。私もプロポーズしちゃおかな』
『しちゃいなさいよ(笑)立木さんも、安藤君にしたらいい(笑)』
『ええ?!』
『私の想像(笑)好きなんじゃないかな~って。立木さん。いつも安藤君に相談してたし。なんだかんだいって、最終的に安藤君の意見とるんだもん(笑)』
先生よくみてるな…(笑)
会社にもどる前に私は達也さんに電話を入れた
達也さんは少しびっくりしてた。昨日の今日だから
『達也さん、今日早く帰れるんで、お好み焼きでもしませんか?』
『あ、いいね。子供らも喜ぶ。小町ちゃん…』
『私を家族に入れてください。隠し事なんかしないでくださいよ、約束ね!材料私が買っていきますから』
編集部にもどり後藤っちに原稿を渡した
『編集長、今度花の写真使ってみたらどうですか?』
『なんで知ってんだよ!』
『なんでも知ってますよ。あと来月の企画、逆プロポーズした人の記事どうですか?のえる先生そうみたいですから、メインにして』
私はまさみちゃんのほうを見た。あふれる笑顔で彼女は後藤っちを見た
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