空技廠 一式対潜哨戒機

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全長 8.05メートル 全幅 11メートル 最大速度 235キロ 乗員 2名 兵装 7.7ミリ機銃2丁  60キロ爆弾2発 帝国海軍は戦前より、民間の商船のなかでも、優秀なものを特設軍艦に改造し、戦列に加える計画を立てており、戦時には徴用することを条件に助成金制度まで用意していた。 その結果、開戦前後に多くの商船が徴用され、その内の5隻が特設空母として改造。《隼鷹》《飛鷹》《大鷹》《沖鷹》《海鷹》として就役した。 しかし、問題が発生した。 24ノットとやや低速ながらも広い飛行甲板を確保。なんとか機動部隊の空母として使用できる《隼鷹》《飛鷹》はともかく、速力が 21ノットで飛行甲板も十分に確保できなかった残る 3隻は、現用機の離着艦が極めて困難である事が発覚したのだ。 そのため新開発の射出機の搭載が急がれたが、これは正規空母への搭載が優先とされており、3隻は使い道の無い空母となってしまった。 やむなく海軍は、これらの空母を機動部隊用ではなく対潜哨戒用の空母として運用する事を決定。同時に低速、射出機無しでも離着艦が出来る機体の選定に乗り出した。 候補には、九三式中練、退役していた九六式艦攻、研究中のオートジャイロなどが挙がったが、いずれは射出機が搭載されるはずであり、それまでの繋ぎ役でよい事から、いまだ生産中で改造が容易。さらに扱い易い機体が好ましいとする意見から、九三式中練が選ばれ、改造が加えられる事になった。
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