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「久しぶり。」
今日はよくこの言葉を耳にする。
なぜなら今日、4月20日は高等部の時クラスメイトだった連中が集まって船上パーティーを催しているからだ。
何故って?それは去年の卒業式の後で皆でそう決めたからだ。
だって、卒業したらはいサヨナラじゃ惜しい面子が揃ってるんだ。
もったいないと思わないか?
でも、俺の目的はちょーっと違うけどね。
「昴!一年ぶりだね。
元気してた?」
「おう、見ての通りさ。」
「まぁアンタがどうにかなるなんて想像付かないけどさ。」
「ハハハ、ひでーな。
俺は繊細なんだぜ、ちったぁ心配しろよな。」
「くく、一度辞書で繊細の意味を調べてみたら?
きっと間違い気付くから。」
俺と馬鹿話に花咲かせている少女(19歳がまだ少女の範疇ならだが)が
『日高陽緒』
彼女こそ俺が自腹切ってまでこんな集まりを開いた目的だった。
そう、高等部1年の頃、剣術部に所属していた時から俺はこの子に惹かれていた。
「陽緒こそ元気そうじゃん。
さすが『暴れ獅子』は伊達じゃないな。」
「ム、暴れ獅子言うな!
勝手に変な仇名つけてー。」
「剣術部男子50人抜きなんて常識はずれな事するからだろう?」
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