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「なぁトモ、知ってるか?」
『何を?』
昼休みも終わり、5時間目の授業が始まる5分前。
前の席に座っている、親友の学(マナブ)が話しかけてきた。
ちなみに俺の名は、友明(トモアキ)。
みんなからは「トモ」と呼ばれている。
「何を?って、噂だよ。」
『うわさ…?』
「そうさ、ラジオをチューニングする時、ノイズが聞こえるだろ?」
『ノイズってあの、「ザーッ」ていうやつか?』
「ああ。そのノイズの先には、何か得体の知れないものが聞こえるらしい。」
学の話に俺は、柄にもなくゾクッと背筋の凍る思いがした。
『聞こえるって何が?』
「さぁー、あくまでも噂だからねぇ。」
『それって、どっかの番組の声が雑ざってんじゃないのか?』
「俺もよく分からねぇんだ。…そうだトモ、今日俺んち来いよ。今日は親もいねーんだ。」
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