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「さぁてと」
フランクは掛け声と共に立ち上がる。
「ちょっと気になることがあるから、『風』が戻るまでここにいろよ」
フランクは顔を豪邸の方に向け、壁沿いに走り出す。
ノーアは一人取り残され困った顔をするが、渋々待つことにした。
「そこで何している」
突然聞き覚えのない声に肩が震えた。
見れば、豪華な装飾の施された服をきたフランクより若い男が、冷たく無機質な目でノーアを瞳に映していた。
その男は見覚えがあった。
かなり前に女奴隷を大勢買っていっていた。あの時の全てを凍てつかせてしまいそうな視線が印象的だった。
嫌な予感にノーアは、背筋が寒くなるのを感じる。
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