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絨毯のひかれた廊下を歩く。
ノーアは、慣れない足の感触に戸惑いを感じていた。
「義兄さん…本当にこの子を、クララさんの所に連れて行くの?」
ヤンという貧弱そうな青年は、恐る恐る男に声をかける。
「もちろんだ。せっかく拾ったのだ使ってやらなければいけないだろ?フフ、喜んでくれるといいな」
楽しそうに語る男とは裏腹にヤンの顔は歪む。
それから、あまり時が経たないうちに男がある扉の前で立ち止まり、軽く握られた手の甲で扉を叩く。
「クララ…入るよ」
男はそう言うと、返事が返ってくる前に部屋に入って行く。
「新しい子を連れて来たよ」
男の言葉に導かれるように、ノーアは部屋に足を踏み入れた。
視界に広がる物に目を疑った。
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