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「てめえ!何汚い手で触ってんだ!」
男の声と共に木の棒で奴隷少年の手が叩き落とされる。
痛みに少年の顔が歪む。
「いや、すいません。ダンナ…後でキツ~く言っておきますんで、気を悪くしないでくだせぇ」
少年の手を叩いた奴隷商は、少年に袖を掴まれたくすんだ緑髪の男に頭を下げる。
「あ~…いや、気にしてねぇけど」
男は戸惑いながら視線を褐色の肌をした少年の方に向ける。
少年の瞳は真っ直ぐ男の…
左肩付近を見ていた。
男は何か考えるように手を顎にあて左肩を見る。
「うーん…これも縁か。なぁ、こいつ連れて行っていいか?」
「へ?」
男の唐突な言葉に奴隷商は間の抜けた声が出た。
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